放下僧_ほうかぞう Houkazou

牧野小次郎の父は、利根信俊に殺され、小次郎は父の仇を討つことを決意します。
小次郎は禅門にいる兄を訪ねますが、兄は時節を待てと反対をします。しかし、小次郎は唐土(からど、中国)の仇討ち話を引き合いに出し説得に成功します。

二人は放下僧に身をやつして仇討ちに出かけます。

瀬戸の三島で信俊に遭遇した二人は、信俊の伴のものに取り入り、禅問答を仕掛ける信俊に当意即妙の返答をしながら、虎視眈々と敵の隙を伺います。

そして、曲舞や鞨鼓など様々な芸を見せた末に、信俊が油断した隙を見計らい首尾よく本懐を遂げます。

葛城_かづらき Kazuraki

修行の途中、葛城山にたどり着いた山伏が大雪に見舞われます。そこに里女が現れ、山伏を庵に案内し、火を焚いてもてなします。

やがて、里女は、自分が葛城の女神であることを打ち明けます。
その昔、不動明王に命ぜられた岩橋をかけられない咎めに、今なお苦しんでいると言い残し、姿を消してしまいます。

夜も更けたころ、葛城の女神が姿を現し、深々と降る雪の中に神楽を舞います。
自らを恥じ、夜が明けないうちに再び姿を消します。

「神楽」の小書がつくと、序の舞が五段神楽に代わり、型も異なってきます。