2021年7月18日日本の芸能シリーズその参(香里能楽堂最終公演)に寄せて

7月18日、日本の芸能シリーズその参(香里能楽堂最終公演)につき、一言感想を掲載させていただきたいと思います。

5月の緊急事態宣言により延期されました、7月18日が実質香里能楽堂の最終公演になりました。

前々から解ってはいましたが、やはり当日を迎えると寂しい気持ちで一杯になりました。

この寂しく虚しい気持ちを励みに次の舞台が出来上がるまでやらなければならない課題と、新しい発見が出来ましたので、私自信の新たな人生、能楽師としての生き方、道を照らして下さいました。

世の為人の為誰かの為を思う事は、結局は自分の為でして、新たなスタートと、ゴールはイコールでは無い事を実感致しました。僕自身はまだまだ行く、行けるを信じて舞台に立たせて頂きます!

今迄支えて下さった、ご支援賜りました皆々様と一緒に次の世界に行きたいです。

辰巳大二郎

2021年7月3日 辰巳孝太郎百回忌、辰巳孝十七回忌追善能および7月4日 香里能楽堂五十五周年特別公演に寄せて

2021年7月3日に開催いたしました、辰巳孝太郎百回忌および辰巳孝十七回忌追善能の感想を書き留めさせていただきます。

私の高祖父の孝太郎と、祖父の孝の追善能にて「清経」を務めさせて頂きました。

偶々重なった回忌により、叔父の「半蔀 立花」、兄と従兄弟の兄の長女による「海人」と、初めて一族がシテを務める催しが開催されました。

当日は熱海の山崩れにより、新幹線が遅れ出演者、お客様も間に合わなかった事もありましたが、無事に舞台は進められ、「清経」を終えました。

元は2月に行われる予定でしたこの催しでして、昨年末より稽古をしておりましたが、昨今の状況により、延期されました。半年延期となると、本当に半年後に開催されるのか?と焦りと不安を抱き、また香里能楽堂が7月から工事が始まる知らせは伺ってましたので、無事の開催を願って止みませんでした。

色々な事象が重なりながらも、催しも終えられましたのも、御先祖様、辰巳家を支えて下る全ての方、応援してくださる方々の御陰様でした。

もう一度、「清経」舞いたいです!

辰巳大二郎

7月4日 香里能楽堂五十五周年特別公演

香里能楽堂五十五周年特別公演ついに、現在の姿最期の公演。

朝から気合い十分に、無事を願って家を出ました。

「大蛇」(オロチ)は大阪では三十五年振りの上演になり、観世流には無い曲目ですので、御ワキ方、御狂言方、御囃子方、それぞれ大変遠い(滅多に出ない)曲目になります。

大蛇が酒を呑み酔っ払うシーンに使われる酒船の作り物が出てきますが(出さない演出も有り)大阪には酒船の作り物が無いので一生懸命作りました。

後シテも普段は龍神の出で立ち(黒髭の面に龍の冠)前日に「海人」にて使用しましたので、重ならないようにと、真蛇の面(辰巳家の真蛇の面相が龍蛇、男蛇の為)に黒頭と初めての試みでの演出になり、大変良かったと思います。

そして留の宝生御宗家による「七人猩々」こちらも大阪では三十年振りの上演になり、五十五周年の締め括りにふさわしい演目でした。

香里能楽堂は橋掛かりが短い為、最期のシーンでは六人の猩々が並ぶので、相当密でしたが、なんとか無事に終える事ができました。

この三日間は準備は毎日大変でしたが、能楽堂に感謝を込めて舞わせて頂く事ができました。お天気にも恵まれ、沢山のお客様にお越し頂き盛会に終える事が出来ました。

皆々様、大変感謝申し上げます。

辰巳大二郎

【御礼】香里能楽堂立ち退き前に、生きた舞台の映像化を-無事に終了いたしました

現能序章2021

この催しは、私の親友と企画させて頂き、また、世の中のコロナ禍で必死に働いて下さる医療従事者の方々、舞台、Liveが困難な方々、あらゆる方への感謝と、新しい時代を担われる人々に希望を込めた催しの趣旨になります。

親友の彼とは高校三年間同じクラスで、舞台に誘っては来てくれ、また私もバンドマンの彼のLIVEにも行かせて貰いました。

お互いに共通する、お客様に足を運んで頂ける魅力のあるイベント出来ないかと、考えてくれて今回の運びとなりました。

能もLIVEも一期一会、一発入魂の共通する生の新鮮さ、新しい物を取り入れながら、歴史を伝え残す能の精神が、彼とピッタリハマりました。

それに呼応して下さった方のご好意で、セッティング段取りはたくさんの方々の支えや応援のお陰様で、なんとか形にして頂きまして、無事に開催させて頂く事が出来ました。

京阪電車の立体交差事業により、香里能楽堂が7月21日から工事が始まり、次の移転先まで五年と、能楽堂が無い状態で、流儀の催しを紡いで参ります。

別に能楽堂に拘らなくてもと言う固定概念を取り払う機会でもありますし、やはり能楽堂で見て頂きたい気持ちと複雑でございます。

7月2日は、今迄この地で能の公演をさせて頂いた感謝の気持ちを込めて舞わせて頂き、新たに次の舞台と時代を支えて頂くのは、何よりもこれから生まれて来られる、未だ知らない人によって、伝えていかれるんだと改めて考えました。

だから一所懸命生きないとと。

香里能楽堂の最後を映像に残すプロジェクトにご協力、携わって頂いた出演者、関係者、ご支援賜りました方々への遺言になっていくのではと存じます。

尚、この催し開催に至る迄4月より私に密着して下さったテレビ大阪の放送が7月14日のやさしいニュースにて、ドキュメンタリーでお届けさせて頂きます。
YouTubeにてもご視聴頂けますので、是非御高覧賜りますよう、宜しくお願い申し上げます!

『熊坂』 シテを務めて

6月19日 五雲能 「熊坂」シテとして出演 宝生能楽堂 東京

http://www.hosho.or.jp/wp/wp-content/uploads/2021/06/2021%E5%B9%B46%E6%9C%88%E4%BA%94%E9%9B%B2%E8%83%BD.pdf

熊坂を演じさせて頂くのが、これで二度目でして、初演はちょうど10年前、しかもその日も祖父の辰巳孝の命日でした。今回は母方の祖母の一周忌。

熊坂の最初の謡出しに「今日は去るものの命日にて候。弔いて賜り候へ」と言う詞が御座いまして、奇妙な巡り合わせに何かあると感じました。

同じ能を二度、三度と、能楽師は舞台を重ねますが、やはり初演の時よりかは幾分気持ちを落ち着かせる事が出来ますが、初演よりももっと表現力や存在感、謡方等を突き詰めますので、いつも課題が残ります。

「烏帽子折」の熊坂は現在能になりますので、63歳の熊坂と、亡霊の熊坂とではやはり位取りが違います。
その「位」がやはり難しく、悩める部分でした。
誠心誠意能を演じる事の難しさを、改めて痛感致しました。

大変な状況の中開催されました宝生会、
応援にお越し頂きました皆様に感謝申し上げます。

【アップデートあり】香里能楽堂立ち退き前に、生きた舞台の映像化を

現能序章2021

大変多くの方々からのご支援、心より感謝申し上げます

クラウドファンディングの結果
ご支援金 1,410,000(目標金額1,000,000円に対し141%)
ご支援者数 155
という大変にありがたいご支援を賜りましたことを、ご報告させていただきます。

大阪香里園に御座います香里能楽堂は、今年で五十五周年を迎えます。
しかし、京阪電車高架事業により道路拡張のため客席の半数以上無くなり、能楽堂としての運営が大幅に縮小されます。
街が新しく便利で快適になる事との嬉しさと、今迄の思い出が交差し、複雑な心境であります。
何処の能楽堂も、やがて建て替えや移転時期を迎えるので、必ずやってくる道と思っております。

7月2日の現能序章2021と題しまして、私の高校の同級生と起ち上げました催しになります。
現在活動休止しているバンドマンの彼は、音楽と能楽で今までに無い催しが出来ないか、この大変な時期を必死で過ごされてる方々、またはアーティストを応援する企画を考えてくれました。

勿論こんな時期に開催せずともと、反対のご意見もある事は承知しております。
しかし今しかなく、リスクをどうクリアして、考え努力する事に、私は生き甲斐を感じました。
無い知恵を絞り今後も努力し開催して参りますので、余程の事象が起きない限り断念は考えておりません。

能楽堂が縮小される前に、今の姿と、能の世界をまだ知らない方へ、伝統芸能と現代エンタメで新たな可能性への挑戦が始まりました。

不思議と、一所懸命もがいておりますと、手を差し伸べていただく事が、今回たくさん頂きまして、本当に感謝しかありません。

香里能楽堂で能を舞わさせて頂くのは来月で最後になりますが、悔い無く、感謝を込めて勤めさせて頂く所存で御座います!

今後共どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

辰巳大二郎
2021年6月27日


〝野村萬斎〟出演!立ち退き寸前の能楽堂イベント映像化プロジェクト!
趣旨にご賛同いただき、クラウドファンディングにご協力いただける方、よろしくお願いいたします。

「京阪本線連続立体交差事業」により、2021年7月に立ち退きが決まってしまった大阪府寝屋川市の〝香里能楽堂〟その刻まれた55年の歴史や佇まい、そして皆様の大切な記憶や思い出を後世に伝承するべく、7月2日に香里能楽堂で行われるイベントに完全密着した”ドキュメンタリー映像”を制作する予定です。

くわしくはこちらから

辰巳大二郎よりご挨拶

今、世の中は大変な状況にあり、多くの方々が身も心もお疲れになられていると存じます。

そんな中、日々の活力を見出すため、エンターテイメント(エンタメ)は必要不可欠な要素だと思います。

数百年もの歴史を紡ぎ続け、日本文化を伝承し、そして人々を魅了し、感動を与え続けている伝統芸能。

それはまさに”エンターテイメントの礎”ではないでしょうか。


その古来から受け継がれる伝統芸能が持つ計り知れない力で、皆様に笑顔と勇気、そして感動をお届けしたいという強い想いに駆られ、

この度2021年7月2日(金)に大阪〝香里能楽堂〟にて
現代エンタメと伝統芸能を融合したスペシャルイベント

〝現能序章-GENNOH PROLOGUE-2021〟を開催させて頂くことになりました。

よく「伝統芸能は敷居が高い」と思われがちですが、その多くの人々が持つ固定概念を取り払うため、伝統芸能だけの演目ではなく、アイドルやアーティストのライブなどの〝現代エンタメ要素〟も取り入れ、間口を広げた”親しみやすく参加しやすいイベント”をコンセプトに掲げております。

現役能楽師や狂言師を始めとする伝統芸能の方々や、今の時代をひた走る女性グループなど、
このイベントにご賛同してくださる様々なエンターテイナーがご出演してくださいます。

イベントタイトルの【現能(ゲンノウ)序章(プロローグ)】には、
〝現代エンターテイメントと伝統芸能〟を組み合わせ、
今まで伝統芸能に触れたことのない方々にとって、新しい世界への始まりの一歩、

つまり〝序章(プロローグ)〟となるようなイベントにしたい、
という想いを込めて名づけました。

そして栄えある第一回目となるイベント会場には、
私が幼少期から何度もその舞台に立たせていただき、思い入れも親しみもある、
地元・大阪の寝屋川市〝香里能楽堂〟で開催をさせて頂く運びとなりました。

このクラウドファンディングタイトルにもございます通り、
この〝香里能楽堂〟 は道路拡張工事のため、今年7月でその歴史に幕をおろします。

くわしくはこちらから

ご支援方法はさまざま

たとえば…
【ドキュメンタリー映像DVDコース】3000円のご支援の場合

2021年7月に55年の歴史に幕を閉じる香里能楽堂にて、宝生流能楽師はもちろんのこと、現代に生きる狂言師・野村萬斎が舞い、そして現代エンタメ代表として、avex trax所属・大阪☆春夏秋冬のライブやブライダル業界のカリスマデザイナー・桂由美の衣装演出など、伝統芸能と現代芸能を融合した本イベントを収録した密着ドキュメンタリーDVD(非売品)をご提供致します!
リターン限定の完全非売品となりますので、貴重なレア映像作品となります

支援方法を選択し、必要情報を入力、クレジットカード等でお支払いを行っていただければ手続きは完了いたします。

なにとぞ趣旨を汲んでいただき、ご賛同いただければ幸いです。

第三回 橙白会発表会を開催しました

参加された皆さんから、発表会後の振り返りをお聞きしました。

ぜひ、次回に向けて稽古に励んでいただければと思います。
また、橙白会ではご一緒に能楽に親しむ仲間を募集しております。どうぞ見学なども、お気軽にお声がけください。

 発表会 無事に、盛会のなか終わりおめでとうございます。大二郎先生ありがとうございました。

私事ですが、当日主人があの雨の中転んで病院に運ばれ楽屋入りが遅れ先生にはご心配おかけし、申し訳ございません。お陰さまで大した事もなく回復に向かっています。

松風は袴のお陰で好評でした。先生稽古時に沢山のご指導有り難うございました。

武井和江
彼女とは謡の教室で知り合った。いつしか二人してこの能楽の世界に嵌ってしまった。沢山の能、映画、音楽、芝居を一緒に鑑賞した。旅行にも出かけた。そんな関係と時間はこの先、ずっと続くと思っていた。
彼女の訃報は昨夏のこと。

第3回橙白会、春の嵐。朝一の出番から付祝言まで、能楽堂に彼女のご主人の姿があった。今までのほぼ全ての私の発表を彼女は見ていた。それは励みであり、支えでもあった。緊張で扇が揺れる私に彼女が今回もパワーを送ってくれた。

帰り際、ご主人曰く「彼女も続けたかったろうな、やりたかったのだろうな、そんなことを思ったりしていました。」と。きっとそうだと思う。ありがとう。そして彼女に聞いてみたい。私、少しは成長しているかしらん…

益子 陽子
ほぼ1年間お休みをしてしまいましたが、先生ほか皆様方に暖かくお迎えいただき感謝しております。

まだまだ家族の雑用係として、働かなくてはいけないようで、お稽古も月2回よせていただくので精一杯です。なんとか皆様の後をついて参りますのでよろしくお願いいたします。

後藤幸子
緊急事態宣言の延長と朝からの嵐と雷のなか、3回目の発表会が無事開会できたことが有り難く嬉しく思っています。宴会が出来なかったのが、ちょっぴり心残りです。

井上豊年
大二郎先生、会員の皆さま。
発表会では大変お世話になりまして有難うございました。
会を経験して毎々胸に去来する高揚感はナニモノでしょうか
以前にも引用で書いたのですが、
『能』には日本の古い人々の残した素晴らしい〝なにか〟が潜んでいる様です。

衣笠 閑月
今年は演者としてではなく、観客として見所から短時間参加させてもらいました。
静謐な能舞台の雰囲気に触れ、子育て等で忙しい日常とは違う時間の流れをしみじみ感じました。

また、日頃のお稽古の成果を発表される真剣な皆様の姿勢に触れ、爽やかな気持ちになり、これまでの発表会での風景なども思い出しました。 

三原 武俊
今年の発表会もコロナ禍の中を参加できましたこと、大二郎先生はじめ関係の皆様に感謝申し上げます。

日々の稽古( 謡 )と発表会出演が、能世界と言う古典文化への体験として自身の「 知覚力 」向上に役立っているかと思います。
人生100年時代、余生を趣味として能を学ぶことで楽しく心豊かにしていきたいものです。

衣笠 祥雲
大二郎先生、皆様、今年もありがとうございました。毎年練習が足りず自分でももうちょっと出来たと思う事の繰返しですが、続ける事に意味があると自分に言い聞かせています。

数百年も続く古典芸能の舞台を体験する事は、本当に自分を豊かにさせてくれます。またよろしくお願いします。

木村 秀雄